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執筆者の写真Masanao Kinjo

小脳に放り込む

更新日:2023年11月21日

合気道では日々型稽古を行います。


個人的に、これは合気道の理を小脳に放り込む作業だと思っています。

この辺の考察は以前この記事で書きました。



型は実戦の動きから理合いを抽出して整理したドリルです。

計算式のように様式化されているので個人の解釈が入り込みにくく、やり続けることで核になる理合いを無意識の底にに刷り込むことが出来ると思います。つまり小脳にすり込んで、いざという時に考えなくても咄嗟に出てくるようにする。しかもその場で最適な形で。


技法の名称が一ヶ条、二ヶ条、三ヶ条、四ヶ条、入り身投げ、肘締め、小手返し、、、など抽象的かつ記号的なのも、解釈の固定化を防ぐ効果があると思います。

戦後合気道が普及し始めた頃に「腕抑え」「手首ひねり」などの具体的な名称が充てられたことがあったそうですが、すぐに使わなくなったのはおそらく稽古者の中に解釈や概念の固定化が広まってしまったからではないでしょうか。


養神館合気道ではこの型が緻密に作られています。

私にとっては芸術作品であり、演奏するたびに新たな発見のある課題曲です。

迷いがある時、エゴが出てきた時、心が疲れた時などに、型稽古が自分に道を示してくれます。



余談ですが、以前私は長らく空手の世界にいました。

空手の世界では80年代頃から型の意義について論争が続いています。

「型稽古など無意味」という人たちもいれば「型をやらないと空手ではない」という人たちもいます。

両方見てきましたが、私の知る範囲では型を無意味とするほうは試合で使う技ばかり稽古して逆説的に試合(ルール)という型にハマっていました。

型こそ空手とするほうでは「ではなぜ型稽古をするのか」という問いに対して「元々あったものだから」「残さないといけないから」以外の答えを持っている先生をまだ知りません。

また、空手の型は競技化をきっかけに大幅に変わってしまいました。そしてそれが主流になっています。大変残念です。



以上、個人的に何十年も型稽古について考えてきた、現在の結論が「小脳に放り込むにはこのやり方が一番いい」です。もちろん体を練る、皮膚感覚を養う、など他にもありますが今回は割愛します。


なんじょうではこれからも養神館合気道の型を(で)しっかり稽古していきます。


会員の皆さんが型稽古の素晴らしさを感じられるように、お手伝いさせていただきます。


読んでいただきありがとうございました。




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